契約による担保権(15)…根抵当

お金を借りる場合に、何百万円、何千万円というまとまった額を借り入れる場合だけでなく、継続的に借入と返済を繰り返すことがあります。

money_10000
icon-arrow-circle-o-right このような場合に、借入ごとに、都度、抵当権を設定することは極めて面倒で、実用的な担保の設定方法とは言えません。そこで、法律は、継続的な取引によって生じる借入額の上限を定めた抵当権を設定することを認めています。

これを「根抵当(ねていとう)」といいます。根抵当というのは、借入金の上限を決めて、その範囲で借入額が変動することを前提として設定されるものなのです。

icon-angle-double-right 例えば、個人商店を経営しているAさんは、商品の仕入れのため、B銀行から100万円の融資を受け、毎月、決まった金額をB銀行に返済していたとします。商売は順調で、Aさんは事業拡大のため、B銀行から、100万円の追加融資を受けることにしました。

このような場合、Aさんは、最初の100万円の借り入れについて、B銀行に対し、Aさん名義の土地や建物などに最初の抵当権を設定し、次の借り入れについて、再び、B銀行に対し、2番抵当権を設定することも可能です。

しかし、抵当権を設定するたびに法務局で手続をしなければならないし、借入の数だけ抵当権を設定しているうちに、抵当権の数も膨大なものになってしまう可能性だってあります。

抵当権の抹消登記も、不動産1個につき1000円程度ですみますが、抵当権の数が増えれば増えるほど、抹消登記にかかる総額だって、バカになりません。根抵当は、このように借入額が変動するような場合に設定することが予定されています。

Aさんは、例えば、借入額の上限を1000万円として、Aさん名義の時価2000万円の土地に根抵当権を設定することで、借入額の上限として決めた1000万円を超えない範囲で、借入と返済とを繰り返すことができるのです。

icon-hand-o-up つまり、この場合、抵当権が設定される不動産は1個、担保の数も根抵当1個ということになるわけです。

なお、根抵当が設定できる取引というのは、先ほどの例のように、銀行取引とか、商売をするにあたって、商品を仕入れたりする場合など、借入金の目的と種類がはっきりと特定できる場合に限られます。

抵当権が、特定の借入を担保するものであることとの対比から、お金の貸し借りが継続して行われる根抵当権については、お金の貸し借りの目的や種類で、担保される借入の範囲をはっきりさせておく必要があるという考え方によるものとされています。

このページの先頭へ