契約による担保権(14)…共同抵当

前回、「契約による担保権(13)…保証人の責任」で挙げた例のように、一つの借り入れに対して、二つ以上の不動産に抵当権を設定するような場合を「共同抵当(きょうどうていとう)」といいます。
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共同抵当は、お金を借りた本人の持っている不動産と、その人の借り入れを担保する他人名義の不動産にまたがって設定することもできます。

この場合、まずお金を返す責任を負っているのは、お金を借りた本人ですが、それ以外の人たちは、担保として提供した不動産の値段に応じて責任を負うことになります。

icon-arrow-circle-right この点について、「おや?」と感じた方がおられるかも知れません。前回説明した内容によれば、物で保証する物上保証であっても、人的保証であっても、保証する人の数で計算するのではなかったか…と。

確かに、前回は、通常、保証人は、保証人の数で負債を分担するものですし、前回、保証人と物上保証人とを兼ねている人も、二人ではなく、一人として数えるのだということを説明しました。

そのこと自体は間違いではなく、人的保証にとどまる場合であっても、物上保証をする場合であっても、単純に、保証人の頭数で計算するというのが裁判実務です。

但し、物上保証人が保証人と異なるのは、物上保証が、あくまでも担保として提供した不動産の価値を限度として保証するという意思が明確だという点にあります。

icon-arrow-circle-right 例えば、AさんがB銀行から1億円を借り入れ、その担保として、Aさん名義の時価5000万円の土地に抵当権を設定したとします。

そして、Aさんのために、Cさんが、Cさん名義の時価3000万円の土地にAさんのために抵当権を設定し、Dさんが、Dさん名義の時価2000万円の土地にAさんのために抵当権を設定したとすると、それぞれ、Cさんは3000万円、Dさんは2000万円を限度として、Aさんを保証する意思を示しているものと捉えるのです。

これが、通常の保証の場合には、Aさんがお金を返せなければ、CさんとDさんとで、Aさんが借り入れた1億円全額を返済する責任を負う点で、責任の限度に違いがあるのです。

icon-hand-o-up さて、先ほどの例で、Aさんがお金を返せなくなった場合、B銀行は、まず、お金を借りた本人であるAさんの時価5000万円の土地を競売して、5000万円を回収することができます。

そして、残りの5000万円は、Cさんの土地とDさんの土地の価格の割合に応じて、それぞれから回収することになります。

上の例の場合、その価格の割合は、3対2となりますので、Cさんが3000万円、Dさんが2000万円をB銀行に返さなければならないことになるのです。つまり、5000万円を二人で折半して2500万円ずつを返済することになるわけではない点にご注意ください。

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