契約による担保権(13)…保証人の責任

お金を借りる際に、十分な担保が提供できなければ、他の人に頼んで担保を提供してもらう必要があります。
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icon-hand-o-up 例えば、AさんがB銀行から5000万円を借り入れる際、Aさん名義の土地に抵当権を設定することにしましたが、土地の時価が3000万円程度であるため、B銀行は、他に担保を要求しました。

そこで、Aさんは、父親のCさんと親戚のDさんに何とか助けてほしいと頼み込みました。Cさんにはめぼしい財産がないのですが、自分の子の頼みとあって、Aさんの借入金の保証人になることにしました。

これに対して、Dさんは、Aさんのために保証人になるとともに、Cさん名義の時価1000万円の土地に抵当権を設定しました。

このように、保証人が、自らの不動産に抵当権を設定するなどして、お金を借りている人の借入金の返済を担保することを、「物上保証(ぶつじょうほしょう)」といいます。

icon-question-circle さて、この場合、AさんがB銀行にお金を返せなくなったとすると、誰がどれだけの責任を負うことになるのでしょうか。

CさんはAさんの保証人ですが、Dさんは、保証人と物上保証人を兼ねているため、Dさんを一人と数えるのか二人と数えるのかについて、見解の対立があります。

しかし、裁判所は、保証人と物上保証人を兼ねている場合であっても、保証人の数としては一人として計算するものと判断しました。従って、先ほどの例の考え方は、次のようになります。

まず、5000万円を借りた本人であるAさんが担保として提供したAさん名義の3000万円の土地が競売にかけられて、借り入れの返済に充てられます。そして、残った2000万円の借り入れをCさんとDさんとが返済する責任を負うことになるのです。

icon-arrow-circle-right 保証人の数は、先ほど説明したように二人と考えるのが裁判の実務ですから、CさんとDさんは、それぞれ1000万円をB銀行に返済する責任を負うことになるのですが、B銀行は、2000万円を、CさんとDさんのどちらに対してでも請求することができます。

そして、仮に、Dさんが2000万円全額をB銀行に返済すると、Dさんは、後日、1000万円をCさんに請求することができることになるのです。

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